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私は、集中治療室(ICU)で看護師として働いています。重症患者さんの中には、循環動態や呼吸状態から容易に着替えができない方がいます。そのため、処置や排泄等で病衣を汚さないように予防していくことは集中治療室看護師に必要な看護の一つと言えます。それでも、採血や処置で病衣を血液で汚してしまうことがあります。特に、重症患者さんでは凝固データに異常があることが多く、簡単に止血できないことがあります。
病衣を血液で汚してしまって「やっちまった、、、!けど、着替えなんてできる状態じゃない、、、!」という時に私が行っている血液汚れの落とし方を紹介します。もちろん、重症患者さんのみならず、着替えるまでもないけど血液汚れが気になるっていう時にも使えます。
準備するもの
- 乾いたタオル
- ぬれたタオル(または、濡れたおしぼり等でもOK)
- 気合い
濡れタオルは‘’水‘’で用意すること!
「汚れを落とすときは、お湯の方が汚れが溶けて落ちやすいんじゃないの?」と考える人は多いと思います。しかし、今回落としたい汚れは「血液」です。血液の主成分はタンパク質になるため、お湯で洗ってしまうと固まってしまい、逆に汚れが落ちにくいのです。
十分に血液を溶かすために固く絞らないこともポイントです。
タオルは血液汚染してしまうため、汚れてもいいタオルを用意してください。タオルがない場合でも、おしぼりなどのディスポーザブルの物品で代用できます。
手順
- 血液の付いた病衣の下に乾いたタオルを当てる。
- 病衣の上から濡れたタオルで叩く。
- 病衣から血液汚染が目立たなくなるまで叩く。
- 病衣を乾かす
手順は上記の通りです。イメージとしては、血液を下に敷いた乾いたタオルへ染み込ませて移動させる感じです。十分に溶かして染み込ませるために、濡れたタオルは固く絞らないことがポイントです。また、下の乾いたタオルへ移動させるために濡れたタオルと病衣をこすり合わせるのではなく、濡れたタオルを叩くように押し当てます。
思っている以上にきれいに血液汚れが落ちます。乾かすのに時間がかかる場合は、もう一枚乾いたタオルを用意しておしぶきして水分をとると早く乾きます。病衣の血液汚染のほかにベッドのシーツにも使えます。
やっぱり第一優先は着替える事
この方法は、思っている以上に汚れが落ちて有効です。しかし、血液汚染の一番の対処法は綺麗な病衣に着替える事だと思います。集中治療室に入室される患者さんの多くは着替えに看護師の介助を必要とする場合が多いです。そのため、着替えを面倒に思う方もいるのではないかと思います。だからと言って、今回紹介した方法でごまかすのではなく、着替えられる病状であるのであれば着かえるのが患者さんにとって一番心地いいはずです。今回の方法では一見汚れが落ちたように見えても、血生臭さが消えないことがあります。また、血液は感染の観点からも綺麗とは言えません。そのため、まずは着替える方向性で血液汚染したリネンの対処を考えましょう。