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新卒から美容クリニックに勤めることも当たり前となってきた時代において、転職を考えた時に「美容クリニックもいいかも」と思う人が多いと思います。私もその一人です。しかし、悩んだ末に美容クリニックへの転職をやめた時の話をします。※あくまで私個人が美容クリニックへの転職を辞めた理由です。美容クリニックが悪いという訳ではありません。
美容クリニックが転職先の候補になった理由
もともとそこまで美容に興味があったわけではありませんが、病院に勤めていた私にとって生き死にに関わらない美容クリニックには明るいイメージがあり、それはとても魅力的に感じていました。
しかし、美容クリニックに求められるスキルは病院とは異なるものであるため、病院での臨床経験が活かしにくく、美容クリニックに転職した際に業務ができるか不安で美容クリニックに転職しようと真剣に考えることはなかったです。
美容クリニックに転職しないにしても、他にしたいことが具体的になかったため一般的なクリニックに面接にいったり、ホスピタルの求人を見たりしてやんわりと転職活動をしていました。そんなときに、美容クリニックに転職した元同僚から「一緒に美容クリニックで働こうよ」と声を掛けてもらいました。
実際に病院から美容クリニックに転職して生き生きと仕事をしている同僚をみて、「私も楽しく仕事がしたな」と思い、美容クリニックへの転職を真剣に考えるようになりました。
美容クリニックの魅力
- 高収入
- 規則的な生活を送れる(夜勤がない)
- 残業が少ない
- 人が死なない
- 休みを取得しやすい
- 信頼できる人がいる
- 立地がいい
美容クリニックは病院とは異なり自由診療となるため、病院よりも利益が出やすいそうです。そのため、日勤しかないのにもかかわらず病院で夜勤をやる看護師と同じかそれ以上に給料が高いです。夜勤は年を重ねるごとに疲労感が大きくなるし、不規則な勤務で食生活や睡眠時間は壊滅的に不健康な生活を送っていた私にとって、現在の給料を下げずにに夜勤をやらなくていいのはとても魅力的でした。
そして、病院の看護師は残業手当で給料が上がることが多いですが、帰れるなら定時で帰りたいのが本音でした。病院で残業が多い理由として、緊急入院(予定外の入院)が多いことが挙げられます。予定外に仕事が増えれば自ずと残業になります。美容クリニックでは、予約をしたお客さんが来院するため、予定外に対応しなければならないことが少ないです。そのため、病院よりも残業は少ないです。(残業をあまりやらなくても給料がいい)
勤務形態は、美容クリニックによって多少異なると思いますが、シフト制になるため希望した日にちでの休みを取得しやすい傾向にあります。病院もシフト制ですが、看護師の人手不足で思うように休みが取れないのが現状でした。一般のクリニックでは、固定休(日曜日)&半日休み(土曜日と平日に一回)で週休二日換算になるため実質週六の勤務になります。休みの取得しやすさと半日休みではなくしっかりと週休が取れるところがいいなと思いました。
また、立地も駅近であることが多く、駅の近くに住んでいた私にとってとても通いやすい立地でした。
そして何より、信頼できる元同僚がいるということが絶大な安心感がありました。困りごとや分からないことがあれば頼りやすい人が新しい職場に必ずいるのは看護師にとってとても安心材料です。
美容クリニックの懸念点
- 長く続けられるイメージが湧かない
- 看護師としてブランク扱いになる
- 営業に不安が強い
- お局がいたら嫌
- 美容への興味がそこまでない
美容クリニックでは、年齢が若い看護師が働いているイメージがあります。実際、求人に年齢制限を設けているところもありました。そのため、自分がアラフォーになった時に20代のスタッフに交じって働き続けられるイメージが湧きませんでした。美容クリニックへ転職した友人に長く続けられそうか尋ねたところ、年齢を重ねるごとに技術も上がり、お客さんの口コミで顧客を増やしていけるスタッフもいることや管理職に昇格する人もいるそうです。しかし、人数を聞いてみると、そのクリニックでは30後半以上のスタッフは3から4人程度しかいないようでした。やはり、30代半ばで美容クリニックから離れる人が多いように思えました。
もしも、30代半ばで美容クリニックから転職すると考えた時に、その先の転職先が思い浮かびませんでした。というのも、美容クリニックは看護師免許がないとできませんが、病院で勤めるような看護師としての知識や技術は身につかないため病院や一般的なクリニック、施設等への転職の際に「ブランクがある看護師」として扱われてしまい、転職に不利になってしまうからです。さすがに、高収入とはいえ、美容クリニックだけでFIREできるほど稼げるわけではないので、30代半ばで転職活動に困りたくないと思いました。(きっとできると思いますが、私には転職がスムーズにできる自信がなかった。)
美容クリニックの対象は患者ではなく「お客様」になります。完全に営業色が強い仕事です。集中治療室で働き、意識障害患者ばかりみてきた私は、患者と話すことすら苦手意識があったので、そもそも営業ができる自信が皆無でした。それに、ノルマはないと謳っていたとしても、私は自分の営業成績を周囲と比べて落ち込んでしまうと思いました。
検討していた美容クリニックでは信頼できる元同僚がいましたが、そのほかの人は全く知らない人たちです。もしも、お局気質の人がいたらと思うと、病院よりも逃げ場の少ないクリニックでは耐えがたい苦痛だと思いました。
そして、「美容に興味がそこまでないのに働いていいのか」が一番の疑問点でした。美容を仕事にするには、それなりに美容について勉強をするつもりでした。しかし、美容の施術を受けに来るお客さんも美容についてかなり調べているはずです。そういった人たちを相手にできるほど、美容に熱量をもって勉強できる気がしませんでした。それは、利用してくださるお客さんに失礼だと思い、自分は美容看護師になるべきではないように思いました。
結果、美容クリニックへの転職をやめた
労働条件だけ見れば、かなりいい求人のように思えます。しかし、自分に合うか・ずっと楽しく働きつづけることができるかを考えた時に、私にとって美容クリニックは懸念点の方が目立つように感じました。だから、美容クリニックへの転職を断念しました。他へ転職をして、「やっぱり美容クリニックの方がよかったかも」と思うことがあれば、その時は美容クリニックへ転職を検討したいと思います。